川越城本丸御殿から西へ徒歩5分ほど歩くと、住宅街の中に史跡と芝生の斜面が姿を現します。
ここが「川越城 中ノ門堀跡」。
旧川越城内に残る堀跡としては唯一現存する、川越城の貴重な遺構のひとつです。

この記事では、中ノ門堀跡の概要・歴史・見どころ・アクセスについて写真付きで紹介します。
- 旧城内に残る堀跡として唯一現存する川越城の遺構
- 深さ7m・幅18mの空堀は、発掘調査をもとに当初の勾配を復元したもの
- 本丸御殿から西へ徒歩5分、川越城遺構めぐりのルートとして立ち寄りやすい
川越城の歴史散策・史跡巡りコースはこちらの記事で紹介しています。

川越城 中ノ門堀跡とは

旧城内域の宅地化が進み、かつての城の名残を留めるものは本丸御殿の一部のほかはほとんどなくなってしまいました。
そのなかで中ノ門堀は城の堀跡としては唯一現在まで残されていました。
整備された施設は、堀跡本体と説明板やベンチを設けた見学広場からなります。
堀跡は発掘調査に基づき構築当初の勾配を復元しており、城の雰囲気を演出する土塀や冠木門も設置されています。
参考リンク
川越城 中ノ門堀跡の歴史

川越城の築城と松平信綱による大改修
川越城は1457年(長禄元年)、太田道真・道灌父子によって築城された平山城です。
江戸時代に入ると江戸の北の守りとして重視されるようになります。
1639年(寛永16年)に藩主となった松平信綱は城の大改修を行い、この際に中ノ門堀が造られたと考えられています。
松平信綱は「知恵伊豆」の異名を持つ老中で、城郭の拡張をはじめ川越街道および新河岸川の整備を実行し、軍事拠点のみならず物流の要地として川越の町を発展させることに成功しました。
現在、川越城跡に残っている遺構のほとんどは、松平信綱時代に改修されたものです。
防衛上の工夫、折れを使った構造
中ノ門堀は、単に深く掘っただけの堀ではありませんでした。
堀は現在の市役所付近にあたる西大手門側から本丸方向への敵の進入を阻むために巧みに配された堀のひとつであり、堀と堀の間に中ノ門がかつて存在していました。
中ノ門堀は西大手門(現在の川越市役所付近)から本丸(現在の初雁公園周辺)に向かう道筋を妨げるように設けられた堀のひとつで、右に左に屈曲する道を進むと突き当たります。
堀は深さ7m・幅18mですが、西大手門側の勾配は30°、本丸側は60°と傾斜角度が異なるため、西大手門から入った侵入者には堀が壁のように切り立って見えたとのこと。
また、堀の中に通路があり、途中に2階建ての櫓門もあったと伝えられています。 残されている絵図によると二階建ての立派な櫓門であったようです。
明治以降の変遷と整備
明治時代以降になると城内の建物が取り壊されたり堀の埋め立てが行われ、城はかつての姿から大きく変貌していきました。
そのようななかで中ノ門堀は城の堀跡としては唯一現在まで残されており、貴重な遺構を保存し市民の憩いの場として、また観光に活用していくために平成20年度から21年度にかけて整備工事を行いました。
参考リンク
川越城 中ノ門堀跡の見どころ

川越城 中ノ門堀跡の深い空堀!
深さ7m・幅18mという規模もさることながら、本丸側の60度という急勾配は実際に目にするとかなりの迫力です。
攻め込んだ敵にとってこの堀がどう見えたか、想像しながら眺めてみると面白いです。
城の雰囲気を演出するために設置された木製の冠木門と土塀。かつて二階建ての立派な櫓門があったことを踏まえると、また違った見え方になります。
堀に面した見学広場にはベンチと説明板が設置されており、休憩しながら堀の構造や歴史を確認できます。
住宅街の中にあることもあり落ち着いた雰囲気です。
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川越城の本丸御殿、富士見櫓跡、中ノ門堀跡、西大手門跡は、まとめて川越城の遺構・史跡巡りコースとして訪れるのがおすすめ。
本丸御殿→三芳野神社→富士見櫓跡→中ノ門堀跡→西大手門跡という順で歩くと、川越城の規模をひととおり実感できるコースです。

川越城 中ノ門堀跡のアクセス・開園時間・基本情報
川越城 中ノ門堀跡のアクセスは川越市郭町1丁目8番6。
蔵造りの街並みからも徒歩5分程度の位置にあります。
また、川越城 中ノ門堀跡の電車・公共交通機関でのアクセスは、川越駅・本川越駅から東武バス「札の辻」バス停下車、徒歩約5分です。
本丸御殿からは西へ徒歩約5分の位置にあります。
川越城 中ノ門堀跡の開園時間は午前9時から午後5時まで(年末年始12月29日〜1月3日は休園)。
入場は無料です。









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